近年南海トラフの発生などが危惧されているが、名古屋市の南北に位置する0m地帯が広がる中川運河もその一つである。中川運河にphase free parkを提案することにより、かつての中川運河の生業である"繋がり"が広がっていく。拠点によるつながりを生命線として捉え、運河を活用した日常時と非常時の暮らしが溢れていく。

名古屋市中川運河では、水辺空間を活用しクルーズやサップなどにぎわいが創出されている。しかし、海抜0m地帯が広がる中川運河流域では、来たる南海トラフ大地震の津波によって、にぎわいが途絶える危険にさらされている。そこで、水運から陸運への変革により生まれた廃倉庫を避難タワーへリノベーションし、廃倉庫を避難場所としてのシンボルや日常のマルシェ、マリンスポーツの拠点として再活用する。かつて木材等の運搬で使用されていた運河を災害時に生命を運び救援物資を運搬する「生命線」と変換し、廃倉庫のみならず中川運河の活用もリノベーションする計画であり、水と親しみながら避難経路の確認や防災時の公助の関係を築くことを可能とする。