応募対象の概要
高知県の中心商店街の上に設けたパークと、二階の空き倉庫を活用し、平時から復興後まで都市の営みと連続する「空間備蓄」の仕組みを提案。商業・防災・再生の機能を重ね、災害時には避難・支援拠点、復興後には記憶を刻む場として、都市のレジリエンスを高める建築を目指す。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
本提案は、空間が用途ごとに切り替わるのではなく、平時から災害・復興後まで連続して機能する「フェーズフリー」な構成を特徴とする。商店街上部のパークには、日常的に人が集い交流する空間が整備されており、災害時にはそのまま、いつも使っていた空間を避難・支援の場へと転用可能。また、二階の空き家を改修した倉庫空間には資材を備蓄し、有事には即時に仮設空間の組立が可能。用途が変わっても空間の価値が断絶せず、災害を含めた都市の営みを「つなぐ」ことを前提とした設計が、都市のレジリエンスを高める。従来の点的な防災から脱却し、都市の営みに寄り添う備えの在り方を提案する。
従来のアーケードに代えて商店街の上部にパークを設置。滞在や交流を生む場として、商店街に新たな賑わいをもたらす。可変性の高い空間構成により、減少する業種を補完し、チャレンジショップやオープンライブラリーなど多様な活動を誘発。日常的な利用を通じて、防災機能が自然に溶け込む都市の新たな公共空間を創出する。
非常時には、普段使いされていたパークが避難・支援拠点へと即座に変化する。親しみのある場所だからこそ、安心して避難でき、地域のつながりも維持される。また、仮設の商店街を既存商店街の上に形成することで、復興後もそこで生まれたコミュニティを活かし、都市の営みへと自然に接続させることが可能となる。



