川崎市役所本庁舎

応募対象の概要

市民に親しまれてきた旧本庁舎を復元した復元棟や、まちにひらかれた都市空間であるアトリウムを設け、まちのにぎわいをつくり、記憶や景観を継承している。快適な執務環境やZEB Readyなどの環境性能の確保に加え、多摩川の浸水被害や大地震にも耐えうる、あらゆる災害を想定した市街地における都市型防災庁舎を実現した。

フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント

川崎市役所本庁舎は低層部にアトリウムや会議室、カフェ、展示機能を集約配置し、閉庁時や休日でも市民活動やにぎわいを創出する。災害時はこれらが、多目的防災スペースや災害支援拠点に即座に転用可能な計画として、アトリウムには緊急車両の乗入れも可能な計画である。多摩川の浸水を防ぐ中間階免震構造や天井材落下を防ぐ無天井執務室、膜天井とした議場、ヘリポートでの救援物資の受け渡し、火災延焼を抑える外壁、21日間以上の業務継続を支えるインフラの多重化を計った非常用発電機の採用など、あらゆる防災に備え、市の中枢を担う災害対策拠点として業務継続の継続が可能で、安全性・快適性・持続性を兼ね備えた、都市型防災庁舎である。

日常時 川崎市役所本庁舎(日常時)

本庁舎敷地に隣接する広場と一体的につながるアトリウムは休日や閉庁時も利用可能で、誰もが自由に通り抜けが可能な都市空間である。3層吹き抜けの半外部空間はカフェやコンビニ、展示機能、屋上庭園を立体的に連結し、広場と連携しながら、にぎわいをつくり、まちの回遊性を向上させる「にぎわいの核」として整備した。

非常時 川崎市役所本庁舎(非常時)

発災時に即座に防災スペースに転用可能な低層部のアトリウムや会議室など諸室機能、中間免震構造や無天井の採用、業務継続を可能とする非常用発電設備、屋上のヘリポートなど、日常時はにぎわいの創出しながらも、発災時には災害対策活動の中枢拠点として、高い防災機能と業務継続性を兼ね備えた都市型防災庁舎である。