応募対象の概要
神栖市の中心地にある約21haの防災公園、「神栖中央公園」に整備された1万人収容可能な防災拠点施設であり、同時にアリーナ、プール、トレーニング、そして音楽ホールを有するスポーツ・文化複合施設である。市民が愛着を持ち、新たな活動拠点として日常的に集い・賑わうことが、災害時の助け合いにつながることを目指した。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
「防災とは日常を豊かにするための安心」
これからの防災施設は、単に設備が充実した場所ではなく、日常生活を豊かにする空間としての役割を果たすべきだと考えた。同じく、これからの公共施設も特定の目的だけでなく、全ての人々が豊かな時間を過ごせる場所として機能すべきだと考えた。本事業では、日常と防災が融合した、これからの防災施設を通じて、全ての人々の豊かな生活を育むことを目指した。前面に広がる防災公園と連携し、災害時は避難所機能および救援・救護活動スペース等の機能を確保。平常時には、スポーツを通じた市民の健康づくりと、公園に面した憩いの場の提供、各種イベント等による賑わいを生み出している。
これからの防災施設は、単に設備が充実した場所ではなく、日常生活を豊かにする空間としての役割を果たすべきだと考えた。同じく、これからの公共施設も特定の目的だけでなく、全ての人々が豊かな時間を過ごせる場所として機能すべきだと考えた。本事業では、日常と防災が融合した、これからの防災施設を通じて、全ての人々の豊かな生活を育むことを目指した。前面に広がる防災公園と連携し、災害時は避難所機能および救援・救護活動スペース等の機能を確保。平常時には、スポーツを通じた市民の健康づくりと、公園に面した憩いの場の提供、各種イベント等による賑わいを生み出している。
カテゴリ
被害のレベル
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価 /100点
子どもから高齢者まで、プロの指導員が丁寧に指導するプログラムを用意しており、アリーナ、プール、トレーニング室は個人でも利用できる。団体登録を行えば、メインアリーナやサブアリーナ、音楽ホールを事前に予約して貸切利用が可能なため、日常時の「When」「Why」「Who」で評価された。また、プール水の活用、ホールの説明会場としての利用、展望デッキを避難スペースにするなど、運営管理と実情に合った避難マニュアルの作成で非常時の「Why」が高く評価されている。
有効性評価 /100点
「コミュニケーションコリドー」は、公園側に大きく開かれており、あらゆる人が居心地のよい時間を過ごせるコミュニケーションの場となっているため、「日常時のQOL影響能力」で評価が高い。また、計画段階から防災施設となることを想定し、運営、管理、避難対応がマニュアル化されているため、「非常時のQOL影響能力」と「災害想起」で評価された。市民が常に集まり親しまれる空間として、「機能面デザイン」および「情緒面デザイン」でも高く評価されている。
総評
一般的な文化複合施設と比較して、スポーツを通じた市民の健康づくりと、公園に面した憩いの場の提供、イベントによる賑わいの創出、防災公園との連携などが特徴である。非常時は避難所機能および救援・救護活動スペース等の機能を確保しているため、「有効性」で評価された。吹き抜けの共用部は、大きな庇とデッキによって、公園側に大きく開かれていて、各施設同士の共用領域にもなり、あらゆる人が居心地のよい時間を過ごせるコミュニケーション空間となっているため、「汎用性」で評価された。
受賞者コメント
これまでの公共施設は、災害時結果的に避難所に転用されることはあったが、当初から転用が想定されておらず、平常時の準備不足による混乱が生じていた。本計画では「もしも」のときも「いつも」のところへ、というキャッチフレーズのもと、日常的な賑わいが災害時の助け合いにつながる避難施設の在り方を追求した。そして、これからの避難施設は、単に設備が充実した場所ではなく、日常生活を豊かにする役割も果たすべきだという考えに至った。これからも多くの方が現地を体験し、フェーズフリーに関心を持つきっかけになればと思う。
受賞者プロフィール
清水建設・梓設計 設計共同企業体 
